占冠しむかっぷ・村づくり観光協会

2022.02.21

トマム雲海テラスの物語

トマム雲海テラスの物語

夏の朝5時、トマムの日の出は早く、3時半には空がゆっくり明るくなってくる時期。どよーんとした空を眺めながら、トマム山山頂へ向かうゴンドラに向かう。低い雲がリゾートを覆うとき、「今日はヤバいかも…」と期待値が高まる。それは、こんな日は雲海が発生している可能性が高いのを私は知っているから。

山頂に向かって伸びているゴンドラは、白い雲に吸い込まれていく。ゴンドラに乗って、約13分の空中散歩。私も白い雲に包まれていく。ゴンドラから見下ろすトマム山の森では、ここで暮らすエゾシカたちが朝ご飯を食べる様子をのぞくことが出来る。ゆったりと、草を食む親子の姿はとても微笑ましい。帰りのゴンドラでも会えたらいいなぁと思いながら、気持ちは雲海へ…
山頂に向かうにつれ、空が青っぽく見えてくると、もうドキドキは最高潮。空が青っぽくなってくるということは、雲が切れているという証拠。ゆっくりと雲から顔を出す瞬間…。どこまでも続く雲の水平線(雲平線?)。もう体感したことのない異世界が目の前に広がっている興奮は、何度見ても変わらない。

ゴンドラの駅舎に到着し、いよいよ直で雲海テラスと対面する。ゴンドラに乗っているときは、言わば飛行機から見る雲海と変わらないわけで、彼ら(雲海)とは1枚壁がある。

「雲海テラス」のすごいところは、直接、雲海を肌で感じることが出来ること、風を感じ、雲の音まで聞こえて来そうな気持ちになるほど距離が近い。すごいときには、手を伸ばせば雲をすくえそうなくらいの距離で雲が漂う。のび太くんのように雲の上で昼寝が出来るんじゃないか、その先にはラピュタがあるんじゃないかと思うほど。

雲海の発生は、トマム特有の地形、気温や湿度、風など様々な要因から成り立っている。大気の流れ、雲のうねり、太陽の温かさ、少し冷たく優しい風、地球の営み、地球の鼓動、なにか大きな大きな力を感じずにはいられない。自然が作り出すイベントであり、奇跡なのだと思う。

しばし、無言のひとときをそれぞれ楽しむのが乙(笑)。

自分よりもとてつもなく大きいものに出会ったときに、きっと人間は自分の小ささに気づくものなんだろうと思う。忙しい日々や、人間関係、なんだか焦って生きているこの頃も、「あー、地球で起こっている本当に小さな小さな1つなんだなぁ…大したことじゃないじゃん。なーんだ。」そんな気づきが「雲海テラス」にはある。今年も出会えることが楽しみ。

(星野リゾート トマム 広報)

雲海テラスの情報は…星野リゾート トマム のHPで

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